高齢者介護の職場では体調の変化にいち早く気付くことはとても大切なことです。高齢者の中には自分自身の体調の変化に気付けない人がいます。介護者が高齢者の体調の変化に気付くには、日頃の様子をよく観察することと定期的なバイタルチェックが必要です。季節の変わり目や急に寒くなった時、逆に急に暑くなったときには特に注意します。高齢者は自分の不快感を言葉で言い表せないことも多いので不調を訴えなくても様子が普段と違うことが体調の変化のサインになります。普段機嫌よく起きていた人が起きるのを嫌がる、食事量が普段より少ない。自分で歩けていたのに歩けないなどは体調の変化をあらわす重要なサインです。

高齢者の体調変化の原因に多いのが感染症です。高齢者は免疫機能が低下しているため感染症にかかりやすいのです。普通感染症にかかると発熱することが多いのですが、高齢者の場合には微熱程度しか熱が上がらないことがあります。こういった場合も様子をしっかり観察して医師や看護師に相談しましょう。

また、熱は平常値でも元気がないときには貧血や心臓の病気などが考えられます。特別な出来事が起きたときには過労になることも少なくありません。ときには認知症が進んでうつ状態になることもあります。休養をとっても回復しない場合には医療機関へ相談しましょう。医療機関に相談するときには、バイタルチェックの記録を用意します。日ごろのバイタルの記録はとても重要な資料になります。